こんにちは。あおきです。
私はパティスリーで働いているときに、「家庭でエスプレッソを抽出する」というセミナーに通ってからコーヒーに興味を持ち出しました。
そして3年くらい前から手網焙煎をし、1年半前から実際のお店で焙煎を習い出しました。
今はコロナの影響で行けていませんが、落ち着いたらまた行く予定です。
そして、焙煎をやり出してからいろんな本を読み漁りました。
とにかく当時は知らないことばかりだったのでいろんな知識を手に入れたく、時間があれば本を読んだりネットで調べたりしていました。
その中でも特に勉強になった1冊を紹介します。
私のように焙煎をして日が浅い人でも読みやすく理解しやすい本になっています。
コーヒーについてもっと知りたい方、焙煎に興味のある方、そして実際にコーヒーに携わっている方、全ての方におすすめの1冊です。
「コーヒーおいしさの方程式」田口護+旦部幸博
そのおすすめの本がこちらです。
東京の「Cafe Bach」の創業者の田口護さんと研究者の旦部幸博さんが、技術と科学の両方の面から「おいしいコーヒーとはどのようなものか」について書かれています。
とにかく買ってよかったの一言です。本当に何回も読みました。
なにがどうよかったのかは1章ごとに書かれている内容を説明しながら話していきたいと思います。
本の構成としては3章から成り立っていて、章ごとにいくつかの項目に分かれています。
章自体は少ないのですが内容が本当に充実しています。
第1章 コーヒー豆の基礎知識
この章ではまずスペシャリティーコーヒーが出てきた時代背景、そして出てくる前と後でコーヒーの評価がどのように変化したのかが書かれています。
スペシャリティーコーヒーは今では当たり前のように交わされている言葉ですが、この言葉の定着とともに、どのような農園でどのような人がコーヒーを作っているのかということがネットで簡単にわかるようになりました。
日本の裏側の人のことを思いながらコーヒーを飲む。。
感慨深いですね。
次にアラビカ種とロブスタ種のコーヒー豆の成分(炭水化物とかタンパク質とかのことです)がどのぐらいの割合で構成されているか、また焙煎されることによってそれらの成分がどのように味や香りに影響するかが書かれています。
これだけ聞くとすごく難しく理解しにくい話のように聞こえますが、本では表で色分けされていてとてもわかりやすく書かれています。
肉を焼いたり、パンを焼いたりと、物に熱を加えることで起こる変化というのはすごいなと改めて思いました。
他にはコーヒー豆の栽培条件も書かれています。
さらに栽培条件だけではなく、「なぜ寒暖差があるといいのか」などの栽培条件に対する疑問にも答えてくれていますし、豆の成長過程での成分の変化についてもグラフによってわかりやすく書かれています。
読めば読むほどスッキリしてきますね。
あとは生豆の精製方法が図を用いてわかりやすく書かれています。
そして精製方法による味、香りの違い、そして短所についても書かれています。
第2章 コーヒーの焙煎
この章ではまず、田口さんの経験から、様々なコーヒー豆に対しての焙煎度の目安が示されています。
そしてその焙煎度による味と香りの変化を、旦部さんがコーヒー豆の成分と一緒に図を用いて示しています。
まさに技術と科学の両方の側面から焙煎による変化を分析したもので、この図を知ることができただけでもこの本を手にして良かったと思いました。
残念なことに、私にはまだこの図が完全に府に落ちるような技術はないんですが。。
いずれ技術が備わるともっとクリアに理解できるんだろうなと思います。
そしてこの章ではもう一つ私が何度も見ている箇所があります。
それが、焙煎が進むにつれて起こる豆の内部の変化です。
これも詳しく図と表で書かれているのでとても理解しやすいです。
この図を見ながら焙煎していると、豆の内部が見えてくるようで面白いです。
さらに焙煎することによる豆の水分の重要性についても書かれています。
この部分も旦部さんが科学の面から話されています。なぜ焙煎で水分の存在が重要なのかが「なるほどー!」という感じでわかります。
他には焙煎機の熱源の構造の違いも書かれています。
第3章 抽出の科学
この章では、コーヒーを抽出するときの様々な条件が、味にどのように変化を与えるのかが書かれています。
そして、よくコーヒーを飲んだときに言われるコク、キレ、酸味、苦味などに関しても科学の面からの見解が行われています。
一杯のコーヒーを淹れるにしても焙煎から携わることができたら、コーヒーの抽出もさらに面白くなるなあと改めて思いました。
さらに、抽出する過程での味の変化なども書かれています。
毎日のようにコーヒーを淹れていますが、ここに書かれていることを思い出しながら抽出するだけでも有意義な時間になると思いました。
なぜこの本がおすすめなのか
一見とっつきにくい科学での分析をとてもわかりやすく書かれているので、スラスラと読むことができるし、科学の側面からだけではなく田口さんの経験からの話も書かれているので説得力があります。
またコーヒーの時代背景なども書かれているので、この1冊を熟読するだけでものすごく勉強になります。
そしてそこまでのページ数ではないのに中身の充実度が半端ないです。
お値段も手頃だし、コーヒーをもっと楽しみたいなら絶対おすすめです。
そして本の巻末には付録として、コーヒーの味と香りの物差しとして使われている「フレーバーホイール」もついています。
本当に最初から最後まで内容の濃い充実した本になっています。
気になる方はぜひ!!